エンジニアが営業になるには

エンジニアに限らずかもしれませんが
「うちの営業は何にも商品のことわかってない!」
「提供サービスのこと理解せずに売ったせいで困ってる!」
なんて話はよく聞きます。

そうすると、客先の対応にも慣れ、技術力もあるエンジニアは、「よし、ならば俺が営業をやったろ!」となる場合があります。

もちろんエンジニアから営業になることを否定はしません、営業職の方が出世しやすい、仕事の幅・知見が広がるといった、いいことばかりです。しかしながら、優秀なエンジニアが営業になれば必ずいい結果を残すとは限らないです。失敗してる人をみて思うところを少し考えてみました。
※以下に書いてることは良い悪いは別にした意見です。こうあるべき論ではなく、営業やってみたけどうまくいってなかった人の考察です。

 

①正論だけで売れるとは限らない

エンジニアやっていると「顧客の話を聞いて真の課題を見つけて最適なソリューションを提案すればOK」と考えがちです。しかし散々ロジカルに説明しても、顧客に「なんかしっくりこない」と言われて終わっちゃう場合はよくあります。その人の説明が悪いかというとそうではないのです。結局のところ顧客も何が最適なのかわかっていないんです。ロジカル説明されても、それが正しいかなんて判断できません。じゃあ何かと言うと、最後の営業の「大丈夫です、うちを信じてください!」みたいな強い後押しが欲しかったりするんです。

そんな昭和じゃないんだからと思うの方もいるかも知れませんが古今東西、「営業の情熱に負けて」購入したなんて話はよくあります。でも顧客の話が常に正しいとは限らないのです、ロジカルに断られても「いや、この商品は絶対に御社に必要なんです!」という強い押しが最終的にいい結果を生む場合もあるんです。(悪い結果もたくさんあります。)

エンジニア経験者だと最後の一押しが弱かったりします。

②必要以上に利益を乗せられない
エンジニアやってると見積もりを見て「なんだよこれ!営業の利益乗せすぎだろ!」と思ったことは一度や二度あるのではないでしょうか?会社としては必要な利益と頭でわかっていても、それが自分たちの頑張り以上に乗ってたりしたらイラっとするかもしれません。

もしかしたら、この営業は客を騙してるんじゃないか?なんて思う人もいるかもしれません。しかし、大事なのは顧客がどう思うかじゃないでしょうか。例え、金額がデカくても顧客に「いい買いもをした、あいつはいい営業だ」と思われてしまえばその営業の勝ちです。どこまで利益を載せてもOKかなんて基準などなく、ロジカルだけじゃ決められない営業の腕があるかもしれません。
細かいこというと顧客のお財布事情を把握して可能な限り載せるという考えもありますが。

なのでいざ、エンジニアが営業をやると会社で決めたら最低限しかとらず案件は多いけど金額は大したことないなんてことになってしまうかもしれないです。逆に案件は少なくても1発でドカンと取ってくるベテランのオッチャン営業なんかいたりしませんかね。

③エンジニアだから客に信頼してもらえた
今までエンジニアの帽子を被ってたから強気な発言でも顧客は真摯に聞いてくれたりしました。しかしそのノリで営業に行くと「なに言ってんだこいつ」で終わってしまうかも知れません。なぜなのか、基本的に営業の言うことを信じない人は多いです

エンジニアのあなたも営業という職業の人を信頼していますか?
していないですよね?
なのに、なぜ自分が営業やると顧客に信頼してもらえると思うのですか?

エンジニアとしての顧客との距離感、営業としての顧客との距離感というもがあると思います。

最後に
究極いうと社長に「あんたが言うなら買うよ」と言わせてしまえば無敵なんですよね。なので「こんちはー!社長、ちょっと飲みましょうよ!あと、今期予算厳しいからなんか買ってください!」で仕事取ってきちゃう人もいたりします。

結局、成功している営業が何をしているかというと商品を売るという以上に顧客のキーマンと信頼関係を構築しているのではないでしょうか。