読書感想「まんがで読破 エミール ルソー」

原著はかなり分厚く難解です。こちらの、まんがで読破版は短いページでわかりやすくて書かれています。

 

ルソー、モンテスキュー、ロックって中学生の時に社会科の授業で習った記憶はあるのですが、正直何をした人かというのは理解していなかったです。

この本はでエミールという少年の成長を通してルソーが考える子供の教育のあるべき姿について書かれています。時代背景として、この頃は子供と大人の違いという認識が一般的には無く「子供とは小さな大人」と考えられていたようです。

そのため今では当たり前のことかも知れませんが、ルソーは子供は母親が愛情を与えるべしとか、自然に触れさせるべし等と提言しています。今でも、似たような議論が存在しているので普遍的な考え方なのかも知れませんね。

漫画ではエミールという一人の少年の成長を通して子供の教育のあるべき姿を解説しています。ところどころ今の時代に合わないような考え方もありますが、子供の教育論がない時代に、このような考えを体系立てて出版したのは革命的だったのでしょう。

狭義での教育だけではなく「宗教のあるべき姿」や「愛とは」、「幸福とは」等と幅広い視点で書かれています。結局、時代に関係なく人間の悩みのタネというものは大差ないのかも知れません。

ちなみに宗教についての自由な発想が、教会界隈の逆鱗に触れルソー自身も迫害を受けたようです。